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連帯保証人から債権を回収する手順と請求前に確認すべきこと

取引先や借主からの支払いが滞ったとき、連帯保証人への請求は有力な回収手段です。
ただし、保証契約の内容によっては請求そのものが認められないケースもあります。
ここでは、連帯保証人から債権を回収する手順と、請求の前に押さえておきたい点を紹介します。

請求の前に保証契約の有効性を確認する

連帯保証人へ請求できるかどうかは、保証契約が法律の要件を満たしているかで決まります。

書面のない保証契約は効力が生じない

保証契約は、書面または電磁的記録によって結ばれていなければ効力を生じません。
口頭で保証を引き受ける意思が示されていたとしても、その約束だけを根拠に支払いを求めることはできないのです。
メールや電子契約の形式であれば有効に成立しますが、契約書に保証人本人の署名や押印がなければ、後になって保証意思を争われるおそれがあります。
請求に踏み切る前に、保証人欄の記載と契約書の保管状況を確認しておくとよいでしょう。

個人根保証には極度額の定めが欠かせない

一定の範囲に属する不特定の債務をまとめて保証する契約は、根保証と呼ばれます。
個人が根保証人となる場合、負担の上限となる極度額を定めていなければ契約は無効です。
次のような契約は根保証にあたるため、極度額の記載を確認する必要があります。

  • 賃貸借契約における家賃の保証
  • 継続的な取引から生じる代金債務の保証
  • 従業員の身元保証

また、事業のために負担した貸金債務を経営者以外の個人が保証する場合は、原則として公証人が保証意思を確認した公正証書がなければ効力が生じません。

連帯保証人への債権回収の進め方

保証契約が有効であることを確かめたら、実際の回収に進みます。
連帯保証人は通常の保証人より重い責任を負う立場にあり、債権者にとって請求の選択肢は広いといえるでしょう。

主債務者より先に請求できる

連帯保証人には、催告の抗弁と検索の抗弁が認められていません。
催告の抗弁とは先に主債務者へ請求するよう求める権利で、検索の抗弁とは主債務者の財産から回収するよう求める権利をいいます。
これらの抗弁がないため、債権者は主債務者の資力を確認しないまま、いきなり連帯保証人へ全額を請求できます。
連帯保証人が複数いる場合も負担が頭割りされることはなく、それぞれに対して債権全額の支払いを求められる点が特徴です。

請求できるのは元本だけではない

保証債務の範囲には、主債務の元本のほか、利息や違約金、遅延損害金も含まれます。
契約書に個別の記載がなくても、これらは主債務に従たるものとして保証の対象となるのが原則です。
ただし、極度額の定めがある根保証では、遅延損害金を含めた合計額のうち極度額を超える部分は請求できません。

任意の請求から強制執行までの流れ

請求は、いきなり裁判へ進むのではなく、書面による支払いの求めから始めるのが一般的です。
おおまかな流れは次のとおりです。

  • 内容証明郵便による支払いの請求
  • 応じない場合の訴訟または支払督促の申立て
  • 判決や和解調書といった債務名義に基づく強制執行

内容証明郵便には時効の完成を6か月間猶予する効果があり、裁判の準備に充てる時間を確保できます。
訴訟で請求が認められれば、連帯保証人の預貯金や給与を差し押さえて回収を図ることになります。

回収を進めるうえで注意したい点

連帯保証人への請求には、見落とすと回収そのものが難しくなる落とし穴も潜んでいます。
とくに時効と通知の管理は、主債務者側と分けて考えなければなりません。

保証人へ請求しても主債務の時効は止まらない

2020年4月に施行された改正民法により、連帯保証人への履行の請求は主債務者に効力を及ぼさないものとされました。
改正前は保証人への請求だけで主債務の時効も中断していたため、この点の認識が古いままだと危険です。
現在は、連帯保証人へ請求しても主債務の時効は進み続けるため、主債務者に対しても催告や訴訟による手当てを行わなければなりません。
保証契約であらかじめ別段の合意をしていれば主債務者にも効力が及びますが、そのような特約が置かれている契約は多くないでしょう。

主債務の時効が完成すると保証人も支払いを免れる

保証債務は主債務に付き従う性質を持つため、主債務が時効で消滅すれば保証債務も消滅します。
連帯保証人は、主債務の時効を援用して支払いを拒むことができるのです。
保証人への請求を続けていても、主債務の時効管理を怠っていれば回収の手段を失いかねません。

期限の利益喪失は2か月以内に通知する

分割払いの滞納が続いて主債務者が期限の利益を失った場合、個人の保証人にはその事実を2か月以内に通知しなければなりません。
通知が遅れると、期限の利益を失った時点から通知までに生じた遅延損害金を保証人へ請求できなくなります。
回収額に直接影響する部分であるため、滞納を把握した時点で通知の期限を管理し、発送の記録を残しておくことが望まれます。

履行状況の照会には応じる義務がある

保証人から主債務の履行状況について問い合わせを受けた場合、債権者は遅滞なく情報を提供しなければなりません。
提供の対象となるのは、元本と利息の残額や、すでに期限が到来している部分の額です。
回答を拒んだり事実と異なる説明をしたりすると、保証人から損害賠償を求められる事態にもなりかねません。

まとめ

連帯保証人への請求は回収の可能性を大きく広げますが、保証契約の有効性と主債務の時効管理を欠くと結果につながりません。
ゴッディス法律事務所では、債権回収に関するご相談を承っております。
保証人への請求をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

当事務所はこのほかにも債権回収 弁護士 依頼の案件を多く取り扱っております。
お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください!

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