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行方不明の債務者から債権を回収する方法と手続きの進め方

債務者との連絡が取れなくなってしまったことは、それだけで回収をあきらめる理由になりがちです。
しかし、債務者の所在がつかめない場合でも、法律上は回収へ進むための手段が用意されています。
ここでは、行方がわからない債務者に対して取りうる調査と手続きを紹介します。

行方不明になった債務者の所在を調べる

回収の第一歩は、債務者が現在どこに住んでいるのかを突き止めることにあります。

住民票や戸籍の附票から居住地を追う

債権者は、債権の回収という正当な理由を示すことで、債務者の住民票の写しを取得できる場合があります。
所在の調査で取得すべき資料には、次のものがあります。

  • 現住所を確認するための住民票の写し
  • 転出先をたどるための住民票の除票
  • 住所の変遷が記録されている戸籍の附票

自力での取得が難しい場合でも、弁護士に依頼すれば職務上請求や弁護士会照会を通じて調査を進められます。

所在がわからない間も時効は進む

債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年で完成します。
相手と連絡が取れない状況でも時効の進行が止まるわけではないため、調査に時間をかけすぎるのは危険です。
内容証明郵便による催告は相手へ届かなければ効力が生じず、行方不明のままでは完成猶予の手段になりません。
公示送達によって訴訟を提起し、時効の完成を確定的に止める必要があります。

所在不明のまま債務名義を取得する方法

相手の所在がつかめないときでも、裁判をあきらめる必要はありません。

公示送達を使えば訴訟を進められる

公示送達とは、訴状や判決書といった書類を裁判所の掲示場に掲示することで、送達があったものとして扱う制度です。
債務者の住所も居所も判明しない場合に、裁判所の許可を得て利用できます。
相手が出頭しないまま審理が進むため、請求が認められれば判決を得られます。
ただし、利用にあたっては住民票の調査や現地確認を尽くしたことを疎明しなければならず、調査を省略したままでは認められません。

受け取りを拒まれている場合の付郵便送達

所在不明に見えても、実際は住所が判明していて受け取りを拒まれているだけのケースもあります。
この場合に用いられるのは、書類を発送した時点で送達の効力が生じる付郵便送達です。
現地調査によって生活の実態を確認したうえで裁判所へ上申する流れとなり、居住が確認できなければ公示送達へ切り替えることになります。

判決の確定で時効期間が10年に伸びる

公示送達によって得た判決にも、通常の判決と同じ効力が認められます。
判決が確定すると、もとの債権の時効期間が5年であっても、確定の時から10年に伸びるのが特徴です。
すぐに財産が見つからない状況でも、時間をかけて所在や資産を追える点で意味があるといえるでしょう。

債務名義を得たあとの回収と注意点

判決を得ただけでは、実際にお金が戻ってくるわけではありません。
差し押さえる財産を見つけるための手続きと、その限界を押さえておきましょう。

第三者からの情報取得手続で財産を探す

債務名義を持つ債権者は、裁判所を通じて第三者に債務者の財産情報を照会できます。
取得できる情報は次の3種類です。

  • 金融機関から得る預貯金口座と残高の情報
  • 登記所から得る不動産の情報
  • 市町村や年金機構から得る勤務先の情報

このうち預貯金の情報は、財産開示手続を先に行わなくても申し立てられます。
不動産と勤務先の情報については財産開示手続を経ていることが要件となり、勤務先の情報は養育費や生命身体の侵害による損害賠償といった債権を持つ債権者に限られます。

財産開示手続でできることと限界

財産開示手続は、債務者本人を裁判所に呼び出し、財産の状況を陳述させる制度です。
債務者の所在が不明な場合でも、公示送達によって実施決定を送達したうえで申し立てられます。
もっとも、本人が出頭しなければ財産の情報は得られず、行方不明の事案では空振りに終わることも珍しくありません。
出頭しなかった債務者には6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められており、後日所在が判明したときの追及材料になります。

不在者財産管理人の選任という選択肢

債務者が従来の住所を去り、財産を管理する人もいない状態であれば、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てられます。
選任された管理人が債務者の財産を管理するため、その財産からの支払いを求められる余地が生まれます。
ただし、申立てには数十万円の予納金が必要になることもあり、めぼしい財産が確認できなければ負担だけが残りかねません。
不動産の存在が把握できているようなケースで検討したい手段といえるでしょう。

回収できずに費用だけがかかる場合もある

所在の調査から訴訟、強制執行まで進めても、債務者に財産がなければ回収には至りません。
公示送達による訴訟は通常の訴訟より手間がかかり、調査費用や弁護士費用が積み上がる点にも注意が必要です。
債権額と見込まれる費用を比較し、どこまで手を尽くすかを早い段階で判断することが求められます。
連絡が取れなくなった直後であれば所在も財産もつかみやすく、着手が遅れるほど回収の見込みは下がっていきます。

まとめ

債務者が行方不明になっても、所在調査や公示送達を通じて債権回収へ進む道は残されています。
判断を先延ばしにするほど時効と財産散逸のリスクが高まるため、早い段階で動き出すことが回収への近道といえるでしょう。
ゴッディス法律事務所では、債権回収に関するご相談を承っております。
相手と連絡が取れずお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

当事務所はこのほかにも債権回収 新宿区の案件を多く取り扱っております。
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