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個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しやすいケース・成功しにくいケースを弁護士が解説
友人や知人に貸したお金が返ってこないなど、個人間の金銭トラブルが起きたとき、きちんと返金してもらえるのか気になりますよね。
今回は、個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しやすいケース・成功しにくいケースを弁護士が解説します。
個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しやすいケース
個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しやすいケースは、お金の貸し借りの合意や事実に関する客観的な証拠がある場合です。
詳しく解説します。
お金の貸し借りの合意があったことの証明ができる
お金の貸し借りに、双方が合意していたことを証明できるかが重要です。
借用書やLINEのやりとりなど、お互いが金銭を貸している・返金する必要があるとの認識を持っていること、すなわち債務者に返済義務があることの証拠が必要になります。
相手方から贈与等と言い逃れをされた際には、貸したものであるとの立証責任は債権者側にあるため、このような証拠が必要となります。
債権者が債務者に実際にお金を貸したことの証明ができる
お金の貸し借りの契約は、法律上「金銭消費貸借契約」 といいます。
金銭消費貸借契約に基づき返金請求する場合、①お金の貸し借りの合意と、②実際に債権者が債務者に対して金銭を交付したことの証明が必要となります。
金銭消費貸借契約の成立は、借用書やお金の貸し借りが明確に記載されたLINEのやりとり、銀行振込履歴の他、事後的に相手方が認めている録音やLINEのやりとりでも立証ができる場合もあります。
個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しにくいケース
個人間の金銭トラブルで返金請求が成功しにくいケースは、お金の貸し借りの証拠が全くなかったり、貸したのではなく贈与とみなされたり、時効が成立していたりする場合です。
詳しく解説します。
お金の貸し借りの証拠が全くない
お金の貸し借りの法律上の契約である「金銭消費貸借契約」は、口約束でも成立します。
しかし、債務者が「口約束の覚えはない、お金の返済義務はない」などと反論してきた場合に、借用書やお金の貸し借りが明確に記載されたLINEのやりとり、銀行振込履歴など証拠が全くないケースには要注意です。
法的措置を講じても、請求側に金銭消費貸借契約であることの立証責任が課せられているため、相手方が贈与である等と否認している案件では、何ら証拠がない場合には「請求棄却」となり請求が認められない可能性があります。
そのため、事前に証拠収集を行うことをおすすめします。
法的時効が成立している
お金の貸し借りの時効は、原則として最終返済日から5年(2020年4月1日以降の契約の場合)です。
時効が成立している場合、債務者から時効の援用(時効完成のため返さないと言われた場合)をされると返金請求は認められなくなります。
ただし、2020年4月1日の民法改正前と後では、時効の期間やルールが異なるため、時効について不安に感じた場合は弁護士に相談しましょう。
個人間の金銭トラブルは証拠が少なくとも(薄くとも)弁護士に相談すれば解決できる可能性がある
お金の貸し借りを口約束で行い、借用書やLINEのやりとりなどの証拠がほとんどない場合でも、弁護士に相談すれば法的知見にもとづいて証拠の価値を見定め、精密な見込みを立ててもらえます。
そのため、少ない証拠だからといって諦めるのではなく、早期に弁護士へ相談しましょう。
弁護士によっては、新たな証拠集めの手法を教授してくれることもあるでしょう。
特に弁護士に返金請求を依頼しても、費用倒れにならないくらいのお金を貸している場合は、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
個人間の金銭トラブルで返金請求が成功するかどうかは、証拠の有無が鍵になります。
お金の貸し借りの証明が難しい場合は弁護士に相談をすれば、法的根拠にもとづいて証拠となるものを見出し、返金請求ができる可能性があります。
個人間の金銭トラブルで悩んだときは、弁護士に相談するのがおすすめです。
当事務所はこのほかにも返金請求 できないケースの案件を多く取り扱っております。
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