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債権回収の基礎知識|手段とその手順は?

債務者からの弁済が滞っている場合、債権者は債権の回収を確実に行うために奔走することになるでしょう。
しかし、債権回収の手段を誤るとかえって債権者側が不利益を被ることもあります。
本稿では、債権回収の手段とその手順について解説いたします。

債権回収は急いだ方が良い?

結論から言うと、債権回収は急いだ方が良いと言えます。
その主な理由としては、債権には消滅時効が存在することが挙げられます。
消滅時効とは、権利行使がなされない状態が一定の期間継続した場合に、その権利の消滅を認めるという制度です。
そして、債権の消滅時効は、一般に「権利を行使することができることを知った時から5年間」又は「行使することができる時から10年間」です(2020年4月1日以降に発生した債権を前提としています。)。
そのため、債権の時効が成立してしまった場合には、債権者が債務者に対して債務の履行を請求しても、債務者から消滅時効が成立していることを主張して拒まれてしまうと債権が消滅してしまうため、債権回収を急ぐ必要があります。

債権回収において気をつけるべきこと

以上のように、債権回収はなるべく早期に行なった方が良いと言えますが、債権者が個人で回収する場合にはその回収手段に気をつける必要があります。
日本においては、債権者が個人の実力を用いて債権回収をすることを「自力救済」と呼び、この自力救済は原則として禁止されています。
例えば、A社がB社に対して賃貸借契約等に基づいて機械を貸していた場合に、B社が賃料の支払いを怠っているためにA社の従業員がその機械を勝手にB社から持ち出すなどすると、窃盗罪(刑法235条)として刑事処罰の対象となる可能性があります。
したがって、債権者は債権回収を行う場合には、法的手段を用いて適法に回収を行う必要があります。

債権回収の手段とその手順

債権回収を行うに際しては、より穏便な手段から講じていくのが一般的です。
そして、その法的手段とその手順は、以下のようになります。

①対面での話し合いやメール、電話等で債務者と交渉する

対面での話し合いやメール、電話等を用いて、債務者から任意の弁済をしてもらえるように交渉する場合には、債権者は債権回収を急ぐあまり攻撃的な言動などをとってしまうこともあります。
しかし、そうした行為がかえって債務者から民事責任や刑事責任を負う結果となる場合もあるため、冷静な言動を心がけるようにしましょう。

②内容証明郵便を用いて債務の履行を「催告」する

①の方法で債務者が弁済を行わない場合には、内容証明郵便を用いて債務の履行を促しましょう。
内容証明郵便とは、日本郵政株式会社が郵便物の内容文書について証明をしてくれるというサービスで、「いつ、どのような内容の文書を誰から誰に対して差し出されたか」を証明することができます。
内容証明郵便を用いて債務者に債務の履行を促す文書を送付した場合、その文書は、債権者の債務者に対する債務の履行を「催告」したものと法律上評価され、債権の消滅時効の成立が6ヶ月間猶予されます。
なお、この6か月の期間延長は1度しか行えず、延長期間内に再度の催告を行っても再度の期間延長とはなりませんので、ご注意ください。

③裁判所に民事調停の申立てをする

民事調停は、裁判所の調停委員が仲介役となり、当事者の言い分を聞き取るなどして和解を試みる手続です。
この方法は、訴訟を起こすよりも費用がかからず判決よりも柔軟な解決が図れる上、調停が成立すれば強制執行が可能となるなどのメリットがあります。

④裁判所に支払督促の申立てをする

支払督促は、簡易な手続で金銭の支払いを命じてもらい、強制執行をすることが可能となる制度です。
この申立てを行い、所定の手続を経た後に、仮執行宣言付支払督促が債務者に送達され、債務者が2週間以内に異議を申し出なかったり、又は異議の申立てが却下されたりすると、時効が更新されるというメリットがあります。
支払督促が有効な手段といえるのは、相手方に争う意向がない場合です。

⑤債権額が少額の場合には少額訴訟を提起する

少額訴訟は、60万円以下の金銭債権の支払請求であれば、簡易裁判所に対して訴えを提起することができ、原則1回の期日で判決まで出してもらえるため、簡便な手続と言えます。
ただし、1回の期日のみで裁判所に判断を仰ぐことになるため、当事者は証人を含む全ての証拠を事前に準備しておく必要があるので注意が必要です。

⑥訴訟を検討する場合には仮差押えの申立てをする

訴訟を提起することを検討している場合、訴訟には時間がかかるため、判決が出るまでの間に債務者の資産が何もなくなってしまうという事態が生じ得ます。
そのため、訴訟係属中に債務者の資産が散逸することを防ぐことができる点に、この手続を利用することにメリットがあります。

⑦訴訟提起する

上記の①〜④のような手続を用いても、債権回収ができないという場合の最終手段として訴訟を提起することになります。
訴訟を提起する場合には、費用や時間などのコストがかかるため、弁護士に相談することも有用です。

まとめ

債権回収を行う場合、以上で挙げたような手段・手順で行うことが正解ではない場合もあり得ます。
弁護士は債権者の方の状況などに応じた対応を適切に判断することができます。
債権回収でお悩みの方は、ゴッディス法律事務所までお気軽にご相談ください。

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